βグルカンの化学的特徴について
βグルカンとは、より正確にはβ1,3グルカンのことを指し、自然界では主にキノコ類の細胞壁に含まれています。
グルカンとは単糖類であるグルコースが多数結合した高分子化合物一般を指し、良く知られているものにでんぷんやセルロースがあります。
でんぷんは化学的には主にα1,4グルカンであり、セルロースは主にβ1,4グルカンとなります。
一つ一つの構成成分としては全く同じグルコースなのですが、それがどのように結合するかの違いだけで、できあがった高分子の性質は天の地ほどにも異なってくるのが面白いところです。
でんぷんはヒトの消化酵素によって分解され、吸収されてエネルギー源となりますが、セルロースやβ1,3グルカンはそうではありません。
別に消化酵素だけには限りませんが、酵素というのはその対象となる化合物を厳密に区別するものが多く、ごくわずかの違いであっても全くと言って良いほど効果を発揮しなくなることがあります。
同じグルコースが結合した高分子化合物であっても、その結合様式が異なるだけで、酵素が作用したり作用しなかったりするわけです。
酵素が作用しないのですから、β1,3グルカンやセルロースを食べても、でんぷんのようにエネルギー源にはなりません。
しかし、全く意味がないわけでは決してなく、食物繊維としての働きなど多様な作用があることが分かってきています。
とくにセルロースとは異なって水にある程度可溶なβ1,3グルカンにはそのような効果が多数あります。